任意整理って何


皆さんは任意整理という言葉を聞いたことがありますか。恐らくこれをご覧の皆さんの大半が、任意整理という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。というのも、現在は以前に比べて特にこの任意整理という言葉を耳にする機会が増えたような気がします。というのもやはり長引く不況の影響とこの任意整理とは切っても切れない関係にあるからです。任意整理という言葉が多く使われ、それを耳にすることは、ある意味経済の不況ぶりを反映しているからです。さて任意整理の話に戻りますが、たとえ任意整理という言葉を聞いたことがあったとしても、もしかしたら皆さんにはそれが一体何なのかピンと来ないかもしれません。任意整理という言葉では一体何を整理するのか、想像できないかもしれませんが、任意整理ではなく債務整理という言葉で表現すればそれが一体何なのかは想像がつくことでしょう。というのも任意整理は一般的に債務整理と呼ばれることも多く、もしかしたら債務整理という言葉で表現したほうが世間一般にも通りがいいかもしれません。この任意整理、即ち債務整理とは、文字通り大きな金額の借金を抱えて、返済が非常に困難になったという債務者が、まず借金の額を減額・整理することによって、そうして今後返済ができる範囲内にまで整理・減額した後で新たにそれに基づいて債権者と契約を交わし、そしてそれに沿って各債権者に対し返済を続けていくという方法です。同じように借金を整理する方法は幾つかあって、その中でも自己破産等が比較的よく知られていますが、任意整理もそれらの数ある借金整理の方法の一つです。
言ってしまえば任意整理とは借金の所謂棒引きではないか、と皆さんには思えるでしょうが、そう理解しても間違いではありません。ですが後で詳しく紹介しますが一口に債務整理と言っても、例えば債務者が100万円の借金をしていてそれが返済不可能となったときに、債務者と債権者が交渉して、返済額を50万円にします、といった考え方ではありません。(もしそれが簡単に通用するなら、世の中まさに借りた者勝ちになってしまいます。)任意整理の考え方や実際の段取り、流れについてはまたご紹介しますが、任意整理とは確かにある意味借金の棒引きであり、それを聞いた感じではいいこと尽くめのような気がします。ですが世の中こんないい話があるのでしょうか。こんな「おいしい」話を聞けば、実際のところ多くの人が任意整理に関して疑ってかかるのではないでしょう。何か裏があるのでは、いざこの任意整理を利用するにしても条件が厳しいのではないか、或いは任意整理はその手続きが非常に煩雑なのでは、といった疑問を任意整理について知らない人なら抱くのではないでしょう。ですが実際のところ、この任意整理の手続きをすることは決して難しいことではありません。しかも有り難い事に、この任意整理の手続きや債権者との交渉といった困難な作業は、債務者に代わってその代理人が行ってくれます。そんな「おいしい」話が本当にあるの?とそれでも耳を疑う人もいるでしょうからもう少し詳しく説明しますと、上で紹介したように任意整理即ち債務整理の実際の手続きは専門家に全て任せることになります。ここで言う専門家とは司法書士や弁護士です。彼らが代理人となって債権者との交渉にあたるので、例えば任意整理を依頼した当事者である債務者の仕事が忙しい場合や、或いは債務者が裁判所に行く時間がないといった場合でも、実に簡単に任意整理の手続きをすることができます。更には任意整理の過程で、もし過去の借金返済の過程で返済の過払いの発生の存在が明らかになった場合には、その分に関して一括して債権者に対して返金の請求もできます。
更に任意整理の有り難い点は、他に数ある借金整理の方法、例えば自己破産手続き等とは異なり、任意整理の場合は裁判所での手続きを経ません。言ってみれば裁判所を経由しない、裁判所とは関わりのない方法ですので、任意整理の過程で裁判所に出頭する必要はありませんし、更には家族や知人に任意整理のことについて知られることがありません。多額の借金を抱えてそれを返済できなくなったとしたら、その事実は他人に知られたくないものです。任意整理の場合、そうした事実を誰にも知られることなく借金の整理ができます。また代理人となる司法書士や弁護士には守秘義務があり、もしそこから秘密が漏れるようなら代理人も罰せられることになるので、その点も安心です。また任意整理にあたってはその過程で財産を整理・没収されることもありません。これが例えば自己破産の場合だと、不動産や自動車等の財産を持っているとそれを先に整理されてしまうのが通常です。ですが任意整理の場合にはそういったことはありません。従って借金は整理したいが、財産を失いたくないという場合にも任意整理による借金整理がお勧めです。
さらに任意整理の利点を挙げるなら、任意整理を代理人に依頼した時点で取り立て行為が規制されることです。よく漫画やドラマ等で皆さんもご覧になったことがあるでしょうが、悪質な債権者の中には債務者に対して過酷な取立てを実施する業者などもいたりします。ですが債務者が代理人に任意整理を依頼した後は、こうした取立て行為が規制されるほか、債権者が勝手に債務者と連絡を取ることも同じように規制されます。もし皆さんが不幸にも多額の借金を抱えていて、こうした例と同じように債権者による厳しい取り立て行為に日々悩まされているとしたら、任意整理を考えてみることは決して悪いことではなく、賢明でお得な選択だと言えるでしょう。
さらに付け加えて言えば、任意整理は自己破産や民事再生の手続き等とは異なり、いざ任意整理の手続きを行うにしても、これを満たしていなければならないといった要件は特にありません。
ここまで任意整理の特徴についてざっと挙げていきましたが、こうして見るといいこと尽くめで、任意整理はまさに何事も解決してくれる非常に頼れる借金整理の手段であることがわかります。かくもいいことばかりだと、いざ多額の返済しきれないほどの借金に苦しむことがあったら、他の数ある借金整理の手段を差し置いて、第一に任意整理を選択したらそれで万事が丸く収まるようにも思えます。ですので最後に任意整理についてもう一つ付け加えておきますと、任意整理の手続きを行っても、それは決して借金が完全になくなることを意味しません。借金が0になるのではなく、あくまで借金の金額を計算しなおして、今後3年程度の時間をかけて返済を続けていくことになります。従ってもし任意整理を行って借金の金額を減らすことに成功しても、今後3年間で返済していく金額がそれでも途方もなく、返済できないような金額だったら全く意味がありません。再度強調しておきますが、任意整理は今後返済をしていくことを前提にした借金整理の方法です。従って原則として収入がない場合には任意整理による手続きを選択することはできませんし、また収入があってもそれが安定、固定した収入でなかったり、或いはあまりにも借金の金額が大きすぎる場合には、任意整理ではなく、自己破産等の別の借金整理の方法を選択したほうがいいでしょう。

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Last update:2017/10/5